注目のインゴット、以前何年か前に購入した物ならインフレで値上がり?
- wisdom487
- 6月10日
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インゴットとは?その歴史から最新動向までをまとめてみました。
1. インゴットの歴史
インゴットは、金属を精製して固めた塊のことを指します。古代文明の時代から、貴金属としての金や銀は貨幣の代わりに使われていました。また、産業革命以降は、鉄や銅のインゴットが機械部品や建築資材として活用されるようになりました。
2. インゴット市場の動向
現代では、インゴットは投資商品としても注目されています。特に金のインゴットは経済不安やインフレ対策の資産として広く利用されています。一方で、プラチナは工業用途が多く、価格の変動が金よりも激しい特徴があります。銀や銅のインゴットも、電子機器や建築材料として需要が拡大しています。
金のインゴット価格の歴史
金の価格は、過去数十年間で大きく変動してきました。
1995年:1グラムあたり約1,243円。日本のバブル崩壊後の経済停滞期にあたり、金の需要が高まりました。
2005年:1グラムあたり約1,699円。中国の経済成長とインフラ開発の影響で金の価格が上昇しました。
2015年:1グラムあたり約4,928円。株式市場の好調により金の投資需要が減少し、一時的に価格が下落しました。
2024年:1グラムあたり約12,882円。世界的なインフレと経済不安の影響で金が安全資産として再評価され、価格が過去最高を記録しました。
3. インゴットの製造プロセス
インゴットの製造は、精錬された金属を高温で溶かし、専用の型に流し込んで冷却することで完成します。この工程では不純物を取り除くための精錬技術が重要となり、純度の高いインゴットほど価値が高まります。プラチナの製造は特に高度な技術を要し、精製プロセスが複雑です。
4. 投資としてのインゴットの魅力
インゴット投資には、安定性があることが大きなメリットです。例えば、金のインゴットは長期的に価値が保たれやすく、株式市場の変動に対するヘッジとしても利用できます。プラチナは、金よりも価格変動が激しいものの、自動車の排ガス浄化装置などの産業用途が広いため、需要が安定しています。銀や銅は産業用途での使用が多く、景気動向によって価格が変わりやすいですが、長期的な成長が期待されます。
5. インゴットの種類と用途
インゴットは、その素材によって用途が異なります。
金インゴット:資産保全やジュエリー製造に利用
銀インゴット:電子機器や医療分野で活用
銅インゴット:建築資材や電線に使用
鉄・アルミニウムインゴット:工業製品や自動車部品に組み込まれる
プラチナインゴット:自動車の排ガス浄化装置や宝飾品、医療・工業分野で活用
6. 海外の主要インゴットメーカー
インゴットの製造・供給を行う主要な海外メーカーには、以下のような企業があります。
PAMP(スイス):高品質な金・銀・プラチナインゴットを製造する世界的なブランド。
Rand Refinery(南アフリカ):世界最大級の金精錬企業で、グッドデリバリーバーの供給元。
Johnson Matthey(イギリス・カナダ):貴金属精錬の老舗企業で、金・プラチナのインゴットを製造。
Argor-Heraeus(スイス):高純度の貴金属インゴットを製造し、国際市場で取引される。
Engelhard(アメリカ・イギリス):プラチナやパラジウムの精錬を手掛ける企業。
Credit Suisse(スイス):金のインゴットを提供する金融機関系ブランド。
Perth Mint(オーストラリア):政府公認の精錬所で、金・銀・プラチナインゴットを製造。
まとめ
インゴットは単なる金属の塊ではなく、歴史的な価値、経済的な意義、実用性を備えた重要な存在です。投資の観点からも、産業の観点からもその魅力は尽きません。特に金やプラチナは、安定資産としてだけでなく、工業用途としても広く利用されています。今後の市場動向を見ながら、どのインゴットが最適な選択肢となるかを考えることが重要です。






