ロレックス:デイトジャスト特集
- wisdom487
- 7月2日
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更新日:8月11日
ロレックス デイトジャスト完全ガイド

はじめに
ロレックス「デイトジャスト(Datejust)」は、1945年の誕生以来、その完成度の高い実用性と普遍的デザインで世界中の時計ファンから愛されてきました。初代モデルがもたらした“瞬時日付切替機構”は、後世の腕時計製造に大きな影響を与え、現在に至るまでデイトジャストはビジネスからフォーマル、カジュアルまで幅広いシーンで活躍する定番アイコンとして君臨し続けています。本コラムでは全7章を通じ、モデルの歴史・技術革新・デザインバリエーション・市場価値・購入・売却テクニック・メンテナンス・ストーリーをご紹介します。
第1章 デイトジャスト誕生の背景と進化の歩み
1-1. 誕生までの経緯
ハンス・ウイルスドルフは「腕時計は信頼を可視化する道具」であるべきと考え、自動巻き機構の次に挑んだのが日付表示でした。1945年に登場した初代「Ref.4467」は、文字盤に窓を設け、午前0時を境に瞬間的に日付が切り替わる“デイトジャスト機構”を搭載。これは腕時計史における大発明として評価されました。
1-2. 主要世代のリファレンス
Ref. 4467(1945年):プラスチック風防、ケース径36mm、Cal.770
Ref. 1601/1603(1950–60年代):サイクロップレンズ採用、Cal.1565/1575
Ref. 16014(1970–80年代):サファイアクリスタル、防水向上
Ref. 162xxシリーズ(1980–2005):Cal.3135搭載、ダブルクイックチェンジ機能
Ref. 116xxxシリーズ(2005–2016):ケース形状・ブレス改良、Cal.3135安定性向上
Ref. 126xxxシリーズ(2016年–現行):Cal.3235、70時間パワーリザーブ
1-3. 進化のポイント
風防→プラスチック→サファイアへ進化
日付早送り機能の改良(ダブルクイックチェンジ採用)
ムーブメントの高耐磁化・パワーリザーブ延長(Cal.3135→3235)
第2章 ムーブメントと技術革新
2-1. Cal.3135の革命
1988年に搭載開始したCal.3135は業界標準とも言える耐久性・精度を誇り、日付の瞬時切替に加えクロノメーター認定を取得。多くのスポーツモデルにも派生し、その信頼性は折り紙付きです。
2-2. Cal.3235による次世代スペック
2015年以降、デイトジャスト41に搭載されたCal.3235は「ロレックス自社開発40以上の特許技術」を投入。耐磁性シリコン製パラクロム・ヒゲゼンマイ、パワーリザーブ70時間、再設計された高効率輪列で精度・耐久性ともに大幅向上しています。
2-3. 防水・耐衝撃・耐磁性能
オイスターケースの100m防水
シンガポールの熱帯雨林でも耐えうる堅牢性
走行中のスポーツ使用にも対応する耐衝撃構造
第3章 デザインとバリエーション
3-1. ケースサイズと素材のバリエーション
モデル | ケース径 | 素材 |
Datejust 31 | 31mm | SS×WG/YG/Everose Gold/ダイヤ装飾 |
Datejust 36 | 36mm | SS/SS×WG/SS×YG/フルゴールド |
Datejust 41 | 41mm | SS/SS×WG/SS×YG/プレジデント仕様 |
3-2. ダイヤルデザイン
ソリッドカラー:ホワイト、ブラック、ローマンインデックス
グラデーション・ギョーシェ加工:グリーン、ブルー、シルバー
ダイヤモンドインデックス/バゲットダイヤ
3-3. ブレスレットスタイル
オイスターブレス:3連フラットリンク/スポーティ
ジュビリーブレス:5連リンク/ドレッシー
プレジデントブレス:3連丸型リンク(ゴールド・プラチナのみ)
第4章 中古市場動向と資産価値
4-1. 国内中⽷市場の価格帯例
Ref.126300(SS 41mm/オイスターブレス):約1,100,000~1,300,000円
Ref.126334(SS×WG 41mm/ジュビリーブレス):約1,600,000~1,900,000円
Ref.126233(SS×YG/ダイヤベゼル):約1,900,000~2,300,000円
4-2. 資産性を支える3つの要素
ブランド希少性:70年超の継続生産モデル
素材価値:SSモデルから金無垢・プラチナまで価格帯を網羅
流通量と需要:男女兼用として人気が高く、売却時の下落率も比較的軽微
4-3. 相場変動トレンド
2023年末~2024年:金相場・為替連動で10~20%上昇
2025年初:新型コロナ影響からの回復局面でさらに5%上昇
新作発表時:旧モデルの一時的流通減で8~12%上乗せ傾向
第5章 賢い購入と高価売却のコツ
5-1. 購入時のチェックポイント
正規保証書・箱・余りコマの有無
ムーブメント⽇付連動動作・風防キズの有無
ダイヤル・ブレス状態(社外パーツ混入リスク回避)
5-2. 高価売却テクニック
複数社のオンライン査定で相場感を把握
売り時:「相場上昇局面+需要ピーク」(年末・新作直後)
メンテ履歴提示:正規OH証明書で査定額5~10%アップ
希少ダイヤル・限定モデル:20~30%の上乗せを狙う
第6章 メンテナンスと長期愛用
定期オーバーホール(5~10年に1回)
防水性能確認:パッキン交換・圧力テスト
外装クリーニング:超音波洗浄で美観維持
修理・パーツ交換は必ず正規サービスへ
第7章 デイトジャストにまつわるストーリー
ビジネスシーンでの信頼獲得ツール
記念日に贈る“サクセスの証”
父から子へ受け継がれるタイムカプセルとしての魅力
まとめ
デイトジャストは「年齢・性別・スタイルを問わず着けられる万能時計」として、発売から80年を超えた現在も進化を続けています。技術革新が織り込まれたムーブメント、豊富なデザインバリエーション、揺るぎない資産価値──これらが融合し、人生のあらゆるステージを彩る一本です。購入・売却を検討する際は、本稿でご紹介したポイントを押さえ、適切なタイミングと信頼できる専門店選びを行ってください。
次回は、デイトジャストをはじめとするロレックス全モデルとの比較や、コレクション戦略について掘り下げていきます。お楽しみに!




